暇人の巣窟 Vol.1

暇人の巣窟

・はじめに

どうも。ぽつあいメンバーの弓矢です。東大では理Ⅲ生活も終わり、医学部生やってます。

「暇人の巣窟」ということで、このコーナーでは、徒然なるままに、思いついたことを思うがままに掘り下げていきます。ジャンルは不問。合気道も関係なし。コーヒーブレイク感覚で少しでも楽しんでもらえる(?)ようなネタ投稿をしていきます。

・本題

記念すべき第一回のテーマは「初めて、1回目」ということで、東大のサークルですし、第1回東大入試を解いてみよう!…と思ったのですが、第1回は見つからなかったので、ネットで見つかった中で最も古い東大(東京帝国大学)の入試問題を解いてみました。科目は僕の得意科目、数学です。(「初めて」とかいう抽象的で訳分からんテーマを設定したH君。廊下に立ってなさい。)

大正2年は1913年ということで、第一次世界大戦頃の問題です。(第一次世界大戦は1914年)
こんなに昔だと、問題数は少なめ(現在の東大数学は大問6個)で、数学というより物理の問題まであるんですね。物理学科の問題だからということでしょうか。そもそも、問題が学部・学科別だったというのも驚きです。(現在では理系の受験生は全員同じ問題を解く。文系も同様。)
常用対数を底を省略して書いているのは理学部系の慣習でしょうか。(自然対数はlnで書き分け)
それ以前にlog2の値が間違っているんですけどね…(正しくは0.301…)
早速1から解いていきましょう!

なんか、計算が煩雑…
const.は定数を表しますから、(イ)を恒等式とみて、両辺を微分して=0とするのが自然な発想です。あとは計算を頑張るだけですね。
ってな感じでやってみたものの、d/axの位置、「ヲ作リ」の部分(おそらく「を求め」の意)から察するに、d/axはd/dxの誤植ですね。多分。
ということで、訂正版↓

どっちみち計算は煩雑なんかい(笑)
原題と比較して、考える場合分けも多く、答えも少し汚めなので、やはりこっちの方が作問者の意図に合っているのでは?
方針はすぐ立つけど、適切な場合分けをして、全ての場合を網羅できるかというところがポイント。難問は出さない、論理力・思考力を問うという意味で、現代にも通じる「東大らしい」問題と言えるでしょう。現代の受験生もこの問題を一度は解くことをお勧めします。

次、第2問

大学物理じゃ!定義に従って積分するだけじゃ!解説なし!受験生は解かなくてよろし!
でもどうしても今知りたいという人はこちらのページを参考にしてください↓
http://www.quant-ph.cst.nihon-u.ac.jp/~takasugi/chikara/moment.pdf
はい、次!

第3問 大学物理じゃ!無視!合ってる自信ないし。
第4問 約とは?log2は?色々ツッコミどころのある問題ですこと。概算するときにlog2が必要になるのかなぁ。とか、考えてるうちに9^9の手計算終わりますよね?
受験で大事なのは「思いつきにくいエレガントな解法よりも、思いつきやすいエレファント(愚直・力ずく)な解法」です。「約」が気になるなら答えを厳密に出してから有効数字3桁で答えを書けばいいのでは?お好きにどうぞ。

・おわりに

いかがだったでしょうか?問題が解ける・解けない以前に、ちゃんとした古典力学をこの時代の高校生は習っていたこと、100年前には既に古典力学が事実として確立されていた学問であったことなど、意外な点が多かったのではないでしょうか。
こんな高度なこと問題に出せるなら、大事な入試問題の誤字無くせるだろ…
今回の問題より昔の問題を見つけた方は教えてください!!

暇人の巣窟 Vol.1はここまで。次回Vol.2をお楽しみに。

(注)
・問題はhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/937739より。
・第1問の答案で式に(イ)と名前をつけたのは「いろはにほへと…」から。昔の人は五十音順ではなく、いろは順で名前をつけたはず。

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